騒音トラブルで裁判はできるの?費用はどのくらいかかるの?

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翔太
繁忙期みたいだし、こんなものかな?

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どこからか聴こえてくる、うるさい音や音楽。

上の階から響く大きな音。

道路を爆音を鳴らして走る車や、バイク。

言いたくても言い出せない、騒音に悩まされていませんか?

今回は「騒音トラブルで裁判をするまでの流れや費用」をご紹介します。

騒音は裁判で解決する!?

翔太
最近増えてきた騒音トラブルを、自分で解決することはできるのかな?
美咲
当事者だけで、騒音トラブルを解決するのは難しいよね。

騒音トラブルがきっかけで、事件になることもあるからね…。

翔太
できれば、騒音トラブルになるのは避けたいな。

どうしても我慢できないときもあるだろうし、どうやって解決したらいいんだろう?

美咲
騒音の当事者がお互いに納得して解決するには、裁判が良いんじゃない?

翔太
裁判なら公平だし、出された判断に従わないといけないんだよな。

美咲
騒音も裁判や調停で解決できることもあるみたいよ。

騒音トラブルの被害に遭ったら

美咲
騒音トラブルに遭った時は、どうしたら良いんだろう?
①騒音の出どころを確かめる

アパートやマンションのような集合住宅では

  • 自分の部屋の上下階
  • 自分の部屋の左右のお隣さん

などが騒音の出どころということが多いと言われています。

ですが、実際は、離れた部屋が騒音原因だったり、近くに大きな音が出やすい場所があったということもあります。

戸建ての住宅もお隣さんや裏のお宅ではなく、何軒か先のお宅やお向かいさんだったということもあります。

騒音の出どころが〇〇と決めつけないで、時間をかけて騒音の発生場所や周りの環境を確かめましょう!

②騒音の証拠を残す

騒音が発生したら

  • 集音マイクで録音する
  • 騒音計で音量を測定する

などの方法で、どんな騒音なのかを記録しておきましょう。

特に、騒音計で測定した音量「受忍限度」は、耐えることができない騒音なのかを判断する基準で使われます。

さらに、動画の撮影も一緒に行うと、騒音が起きる頻度や起きた日時を音声と映像で記録することができます。

集音マイクや騒音計が記録できるのは音だけですが、撮影をすることで騒音の証拠を確かなものにできますよ。

そして、撮影に使う機材の日付や時間の設定を必ず済ませておくことも重要です。

美咲
我が家のデジカメ、しばらく使ってないけど、ちゃんと日付の設定をしてあったかな?

翔太
スマホでも撮影出来るんじゃないかな?

③メモを残す

騒音が発生したときの

  • 日付
  • 時間
  • どんな音だったか

を出来るだけ細かくメモしておきましょう。

記録する機器がないときは、紙やノートにメモした内容が重要な証拠になります。

機器の記録と一緒に、騒音がいつ頃から始まり、どのくらい続いているのか分かるようにメモしておくことも大切です。

美咲
もし機器のデータが消えてしまっても、メモを残しておけば安心ね。

④証人を探す

自分たち以外の住人で、騒音の被害を受けている人がいないかどうかを確認しましょう。

もし、被害を受けている人がいた場合、受けている被害の状況をお互いに証明したり証言することができます。

翔太
大きな騒音だと、自分たち以外にも被害を受けてる人がいてもおかしくないよね。

⑤病院に行く

もし、騒音で体調が悪くなってしまった時は、一度病院を受診しましょう。

そして、医師の診断のもとに診断書を出してもらうことも重要です。

美咲
騒音から心と体に深刻なダメージを受けるよね…。

おかしいなと感じたら病院に行くことも大切ね。

自分でできる対策はある!?

翔太
自分でできる騒音対策って、何だろう?

①管理会社や町内会に相談する

自分だけで悩まずに相談することが大切です。

  • アパートやマンションのような集合住宅の場合は管理会社や大家さん
  • 戸建ての場合は、家の周辺をまとめている町内会や自治会

に相談しましょう。

このとき、騒音の状態や様子を詳しく正確に伝えるために、撮影や録音した機器やデータ、そして記録をまとめたメモも必ず用意します。

そして、管理会社や大家さん、町内会や自治会から注意してもらうことで騒音対策ができます。

②役所や役場に相談する
住んでいる地域を管轄している市役所や役場の生活課に相談できます。

相談者以外の人にも影響が出てるくらいの騒音だと直接対応してもらえることがあります。

なので、相談に行くときは、必ず騒音についての資料を持って行きましょう。

しかし、解決するためのアドバイスをするのが基本的な対応です。

相談者がアドバイスを受けた後、どうするのかを考える必要があります。

③警察に連絡する

管理会社や町内会などから注意をしてもらったり、役所に相談しても改善されないときには、最寄りの警察署に通報することも検討しましょう。

騒音トラブルの発生中に連絡すると、駆けつけて注意をしてくれることがあります。

美咲
ひとりで悩まないで、ほかの人に相談することも大切だし対策になるね。

翔太
騒音トラブルの相談先があるのは心強いな。

騒音対策の注意点

美咲
自分で対策するときに気を付けないといけないことってあるかな?

翔太
直接相手と話すのは避けた方が良いんじゃないかな?

体験談
毎日のように大きな騒音を出す上の階の人に困っていました。

我慢していましたが、騒音はひどくなるばかりだったので、騒音の様子を記録して管理会社に連絡しました。

管理会社がすぐに対応してくれたので騒音も治まりましたが

「トラブルの相手と直接話すことで、さらに大きなトラブルになることがあります。」
「入居者の皆様の安全のためにも、トラブルが起きたときは必ず管理会社に相談してください!」

と言われました。

どうしたら良いんだろうと悩んでいましたが、今後トラブルに遭ったときは、管理会社に相談します。

翔太
最近は、住人同士がトラブルにならないように、直接話したり、会ったりすることを禁止してる物件や管理会社も多いんだって。

大きな事件に発展することもあるから、直接言うのは避けた方が良さそうだね。

やっぱり裁判で解決!?

美咲
頼れるとこに相談しながら自分でできる範囲の対策をしても、それでもダメならやっぱり裁判で解決するしかないよね?

翔太
自分でできる対策にも限界はあるからな。

となると、裁判で解決するのが良い方法だよね。

美咲
でも、裁判をするためにはどうしたら良いのかな?

専門家に相談

無料の法律相談ができる機関や窓口を利用しましょう。

翔太
まずは、無料の相談に行って、法律のプロに相談するのが良いよな。
美咲
騒音についての記録やメモも見てもらわないとね。

時間も限られてるみたいだけど、裁判のために必要なこともある程度アドバイスをしてもらえれば助かるね。

翔太
それと、弁護士へ依頼するにはどうしたら良いのかも教えてもらわないとな。

裁判を起こすには?

裁判を起こすとき、自分で全ての手続きをする人がいます。

ですが、必要な手続きや準備等が難しいので、専門家の弁護士に依頼することをオススメします。

相談できる機関を利用して、信頼できる弁護士に依頼しましょう。

そして、弁護士に依頼するときは

  • 被害の状況
  • 現在持っている具体的な証拠(騒音の記録やメモなど)

しっかりとまとめておきましょう。

依頼を受けた弁護士が、依頼人から提出された証拠や今までの経緯を、法律を基に、必要なアドバイスや民事の調停の申し立てを裁判を行ってくれます。

裁判にかかる費用

訴訟費用

裁判を起こすときは、2つ大きな費用がかかります。

①訴訟費用
裁判を起こすときに、裁判所に払う費用をまとめたものです。

  • 印紙代(裁判を起こす時の提出書類に貼る)
  • 郵券料(裁判で必要な連絡に使う郵便切手代)
  • 証人の費用(証人の交通費等)
  • 鑑定費(専門家による鑑定が必要な場合)
  • 謄写代(裁判所で作られた調書をコピーするときに必要)

ちなみに、印紙代は相手に請求する金額によって変わります。

請求額 印紙代
10万円 1,000円
20万円 2,000円
30万円 3,000円
40万円 4,000円
50万円 5,000円

※裁判所 ホームページより抜粋

そして、訴訟費用は裁判の判決内容によって、負担の割合が決まります。

補足

100万円までは、請求金額が10万円上がるごとに印紙代が1,000円上がります。

裁判所 ホームページ:https://www.courts.go.jp/index.html

弁護士費用

弁護士費用
弁護士に支払う費用をまとめたものです。

  • 相談料
  • 着手金(案件の契約金であり、依頼主に戻らない)
  • 成功報酬(案件が解決したときに払うもの)
  • 日当(弁護士が現場検証や遠くの裁判所で業務を行う時にかかる日当のこと)
  • 実費(内容証明を作成.通知.交通費など)

相談料や日当は、時間単価で設定されている場合もあるので、しっかりと費用を確認しましょう。

また、着手金と報酬金の割合も相場があります。

経済利益の金額 着手金の割合 報酬金の割合
300万円以下 8% 16%
300万円超え~3,000万円以下 5% 10%
3,000万円超え~3億円以下 3% 6%
3億円超え~ 2% 4%

引用:弁護士費用.com

補足

着手金の最低金額は10万円とされていますが、弁護士事務所によって異なることがあります。

経済利益の金額とは、最終的に依頼人が獲得できた金額です。

最終的に和解を成立した時の金額をベースに報酬金を計算します。

100万円以下の着手金と報酬金の計算例は、下記のようになります。

経済利益の金額 着手金 報酬金 合計
10万円 10万円 16,000円 116,000円
30万円 10万円 48,000円 148,000円
50万円 10万円 8万円 18万円
70万円 10万円 112,000円 212,000円
100万円 10万円 16万円 26万円

引用:弁護士費用.com

注意

これらの金額は、あくまでも一般的な民事の裁判で必要な金額です。

訴訟や裁判の内容によって、着手金や報酬金は変わるので、必ず確認することが重要です。

翔太
やっぱり弁護士費用は、高額になるんだな。

美咲
こんなにお金がかかると、裁判するのは止めようかなって思うよね…。

裁判費用が心配な時は

翔太
裁判を起こしたくても、お金を準備できないこともあるよな…。

そういう時は、どうしたら良いんだろう?

訴訟救助制度

裁判に必要な費用を払うことができない人のために、国が設けた制度のひとつです。

決められた手順に従って申請し、認められると、裁判所に払う印紙代を後払いで裁判を起こすことが可能です。

そして、依頼人の勝訴と訴訟費用の全てが被告(相手)負担の判決が出れば、払わなくても良いとされています。

ですが、敗訴の判決が出たり、裁判途中で和解の場合は支払いをしないといけません。

民事法律扶助制度

この制度も、費用を払うことができない人のために国が設けたものです。

その内容は、弁護士に支払う弁護士費用を分割で払うことができるとされています。

法テラスで扱われていて、法テラスが費用の立て替えをすることになります。

その後、依頼人は立て替えしてもらった費用を分割で払っていきます。

ただし「月収や資産が一定以下であること」という決まりがあります。

この制度を利用する前に、必ず確認することが大切です。

法テラス 公式ホームページ:https://www.houterasu.or.jp/

美咲
どちらの制度も利用するには

  • 裁判に必要な費用の支払いが困難
  • 費用を払うと生活に困る
  • 勝訴する可能性がある
  • 感情的理由、宣伝目的はダメ

こういった基準があって、しっかりと審査するのね。。

集団訴訟

ある特定の場所から騒音の被害を受けている人がたくさんいる場合は、集団訴訟という方法もあります。

何人かで訴訟を起こすということも選択肢の一つかもしれません。

集団訴訟は、訴訟を起こす人たちで費用を分散できるので、一人当たりの支払い費用を抑えられます。

集団訴訟は、トラブルの証拠や証言の共有ができるというメリットがあります。

ですが、人数が多い分、裁判自体に時間がかかるというデメリットもあります。

翔太
いろんな制度や裁判のやり方があるんだね。
美咲
国の制度や機関を利用しながら、納得できる解決をしていきたいね。

こんな方法もある!?

「裁判まで大げさなことはしたくない。でも、中立な立場の第三者のもとで話し合いで解決したい。」

そういうときは、ADR(裁判外紛争処理)を検討してみてください。

ADR(裁判外紛争処理)
公正で中立な立場の第三者である専門家が、騒音トラブルのような問題を抱える当事者の意見を聞いてくれます。

トラブル解決のための話し合いや合意できる解決をしていきます。

ADR(裁判外紛争処理)が対象にしているのは

  • 話し合いで解決できるような案件
  • 日常生活の少額な金銭に関する案件
  • プライバシーに関係する案件

など、民事についての法的なトラブルです。

ただし、民事以外のトラブルは、ADRではなく裁判が必要です。

政府広報オンライン : https://www.gov-online.go.jp

ADRを利用する時は、以下の費用が必要です。

  1. 申し立て手数料
  2. 期日手数料
  3. 和解時に弁護士に払う手数料
ADRで和解時に弁護士に支払う成立手数料の例
紛争の解決額 標準の金額(税抜)
300万円 240,000円
100万円 80,000円
50万円 40,000円
10万円 8,000円

東京弁護士会 HPより抜粋

ADRにはメリットもデメリットもあります。

メリット デメリット
・各分野の専門家が手続きをする
・手続きが簡単
・審理の終了までが早い
・支払う報酬や費用について事前に説明がある
・話し合い中に時効間近な事件の時効を止めることができる
・相手が話し合いに応じなければ、手続き自体ができない
・途中でどちらか一方が離脱すると終了する
・強制執行力はない
翔太
こんな解決方法もあるなんて知らなかったよ。

これなら、裁判みたいに大げさなことにはならないよね。

美咲
裁判するより早く解決できるならいいよね。

それに、ちゃんと両方の話を聞いて和解できるようにしてくれるみたいだし。

翔太
だけど、相手の対応次第でできなかったり、途中で終了することもあるんだよな。。。

当事者がお互いに納得して解決するには、やっぱり裁判するのが良い方法なんだろうな。

まとめ

騒音トラブルは

  • 裁判で解決できる

騒音トラブルに遭ってしまったら

  • 騒音の記録やメモなどの証拠をまとめておく

自分でできる騒音対策は

  • 管理会社や大家さん、町内会や自治体に相談する
  • 役所や役場に相談する
  • 警察に相談する

対策しても変わらないなら

  • 裁判を検討する

裁判を起こすために必要なのは

  • 無料法律相談を利用する
  • 弁護士に依頼する
  • 騒音による被害や記録をまとめておく

裁判にかかる費用は

  • 裁判所に払う訴訟費用
  • 弁護士費用

裁判費用が心配な時は

  • 訴訟救助制度
  • 民事法律扶助制度
  • 集団訴訟

裁判を避けたいときは

  • ADR(裁判外紛争処理)を検討する

今回は「騒音トラブルで裁判をするまでの流れや費用」をご紹介しましたが、いかがでしたか?

騒音トラブルは、私たちの生活で非常に起きやすい問題です。

音が出るのはお互い様、と我慢することもありますが、時には思いがけない大きな問題に発展することもあります。

今回の記事を参考に、相談できる窓口や機関を利用しながら、より良い解決策を見つけてくださいね。

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